「すべての民の旗印」 01.12.16 イザヤ11:1〜10,ガラテヤ4:4
クリスマスの出来事は、人を揺り動かさずにはおきません。
クリスマスに込められている神の恵みに出会い、人は変えられてしまいます。
心の豊かさや、やさしさをクリスマスに手に入れるといった話が数多くあります。
主イエスの誕生は、人に奇跡を起こします。
預言者イザヤは、切り株を見ていました。それは、エッサイを父とするダビデが王として
治めていた国です。国は、もはや大木ではなく切り株でしかないのです。
周囲の国々に翻弄されて、押しつぶされて、倒れたのです。
同時に、その国自体の持つ罪も、切り株となってしまった原因の一つでした。
神抜きに物事を考え、進もうとしたことが、切り株となってしまった原因です。
奪うこと、相手を負かすことに夢中になる人間の罪は、何かを建て上げるよりも、
人を倒すことに突き進みます。周囲を倒し、それだけでなく、自らをも切り株にしてしまいます。
そこには私たちの姿があります。
イザヤはそんな切り株に語ります。ひとつの芽が萌えいで、若枝が育つ。そのことによって、
6節以下に描かれるような不思議な世界が生まれると語ります。
芽、若枝である主の誕生は、敵意が忘れ去られ、弱肉強食ではなく、強いものが
弱いものと共に住み、歩み寄る。そんな不思議な世界を生み出すというのです。
主イエスの誕生は、不思議な世界を生み出します。
クリスマスに込められている神の愛を知ったときに、
敵意は吹き飛ばされてしまうからです。
自分が神に愛し抜かれていることを知らされるゆえに、相手から奪い、
相手を押さえつけることに夢中になる事がいやになるからです。
神が、切り株へと進むしかない人間を救うためにご自身の大切な独り子を与えてくださった。
そんな神の愛を知ったなら、豊かに建てあげる世界を求めたくなります。
そこに、罪を抱える自分には、それまで想像もできなかった愛の心が生み出されていくのです。
そして奇跡が生み出されていきます。
21世紀は、本当のクリスマスを必要としています。